学生時代に国民年金の「学生納付特例」を利用した人は多いと思います。
が、その後に9割が追納していません。
学生納付特例とは
学生納付特例は、学生本人の所得が一定以下の場合、国民年金保険料の納付を猶予してもらえる制度です。
ただし、「免除」と勘違いしている人が多いのですが、老齢基礎年金の金額には反映されません。
追納しなければ、
- 老齢基礎年金の受給資格期間には算入
- 障害年金・遺族年金の納付要件には算入される
- 老齢基礎年金の受給額だけ減る
という扱いになります。
実は9割以上が追納していない
厚生労働省が2024年に公表した資料によると、学生納付特例を利用した人のうち、10年以内に追納した割合はわずか8.9%でした。
つまり、約91%は追納していません。
社会人になってからは、
- 奨学金
- 一人暮らし
- 車
- 結婚
- 住宅購入
など、お金が必要な場面が続くため、後回しになってしまう人が多いのではないかと思います。
24か月追納すると年金はいくら増える?
追納額は、学生納付特例を受けた年度によって異なります。
さらに、承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料に加算額が上乗せされます。ひどいね。
2026年度の老齢基礎年金の満額は月70,608円、年額では847,296円。
24か月分を追納した場合の増額は年間約42,365円、月3,530円となります。
追納額にもよりますが、控除を考えなければ大体10年で元が取れる計算です。
ここだけ見ると大したことないように見えます。
社会保険料控除が大きなメリット
一番大事な部分です。
追納した保険料は支払った金額の全額が社会保険料控除になります。
所得税と住民税が軽減されるため、実質負担は小さくなります。
比較を分かりやすくするため、2026年度の国民年金保険料である月17,920円を24か月分支払うと仮定します。
17,920円 × 24か月
=430,080円
430,080円を追納した場合、以下の表になります。
| 所得税率 | 所得税+住民税の節税率 | 節税額 | 実質負担 |
|---|---|---|---|
| 5% | 15% | 約64,500円 | 約365,600円 |
| 10% | 20% | 約86,000円 | 約344,100円 |
| 20% | 30% | 約129,000円 | 約301,100円 |
| 23% | 33% | 約141,900円 | 約288,200円 |
| 33% | 43% | 約184,900円 | 約245,100円 |
| 40% | 50% | 約215,000円 | 約215,000円 |
| 45% | 55% | 約236,500円 | 約193,500円 |
※住民税率を10%とし、復興特別所得税は考慮していません。また、追納額の全額に記載の所得税率が適用されると仮定した概算です。
こう見ると、なかなか良いのではないですか?
所得税率10%でも、実質負担34万で年間4.2万増額であれば8年ほどで元が取れる計算です。
20%で約7年です。
所得税率が高い年に追納するのがおすすめ
所得税率が高い年に追納するのがおすすめ、と言っても所得税率20%を超えるような税率の人は20代では少ないと思います。
なので注意するのは、退職した年や収入が少ない年に追納しないことです。
まとめ
- 学生納付特例は追納しないと老齢基礎年金は増えない
- 追納している人はわずか8.9%
- 24か月追納すると年約4.2万円(月約3,500円)年金が増える
- 追納額は全額社会保険料控除になる
- 所得税率が高い年に追納するのがおすすめ
追納するかどうかは将来の自分の人生設計によるとは思いますが、日本全体で寿命が延びている今、メリットも十分あるのではないでしょうか。
学生納付特例を利用した人は、一度「ねんきんネット」で追納できる期間が残っているか確認してみることをおすすめします。

